あらすじ
茨城の田舎、底辺工業高校に通う朴秀実。
窮屈な人生から抜け出したいと考えていた朴は、ある時大麻の種を手に入れる。
大麻を売れば大金が手に入ると考えた朴は、クラスメイトとともに園芸同好会を設立。
学校の屋上で大麻の栽培を始めるが──。
感想(ネタバレなし)
■園芸同好会の3人のキャラがどれもいいんだわ
一癖も二癖もある3人が、大麻の栽培という目的のために互いに協力するなかで仲良くなっていく姿がほほえましい。
大麻栽培がなければ交流することがなかったであろう3人が、お互いの欠点をいじりあえるぐらい仲良くなっていく過程…すごい好き。
■意外と青春小説っぽい
題材が大麻栽培なので犯罪小説っぽくハラハラドキドキしっぱなし、通称ハラドキ系(?)かと思いきや、割と女子高生としての描写に重きを置かれてる感じがして良き。
逆に犯罪組織とのヒリヒリする展開とかを期待すると肩透かし食らうかも。(そういうシーンもあるけど少ない。)
■なぜか読後感のいいラスト
8割ぐらいまで読んだところから、これどう終わらせるんだ…?って思ってたけど、なぜか爽やかさを感じるラストだった。いや起きた状況はなかなかひどいもんやけどね。
感想(ネタバレあり)
ネタバレなしの感想にも書いたけど、意外と青春小説っぽくてそこが好き。下に好きな箇所あげていくわ。
「うん。もしさ、イワクマコの高校生活が小説なり映画なり、物語だったとするじゃん。」
いきなりなに?岩隈は語りだした矢口を、右と左で互い違いな瞬きをしつつ見る。矢口そのたとえ好きだね、と朴が口を挟む。
「だとすると、ここからが第二部ってわけ」
朴と矢口が岩隈を園芸同好会に誘うシーン。
こういう次の展開にわくわくする流れ大好き。
朴はネズミを掴んだままビニールハウスを出た。屋上の扉を開け、部室等の中に放つ。それはちょこまかと動きながら、廊下の奥に消えていった。
「お前、結構悪質なとこあるよな」
パンパン、と両手を払う仕草をした朴に、岩隈は溜息を吐いてみせる。
ビニールハウスにいたネズミを朴が部室棟に放つシーン。この前に矢口に病気になるから触らない方がいいって言われてるのに平然と部室棟に放つ朴と、それを指摘する岩隈に笑った。
この辺から朴に対してあれ、もしかして結構好きかも。ってなる。
「私もときどき、見に行っていいかな?」
「ダメです」
あんま調子乗んな!
教頭に園芸同好会の設立を申請しに行った時の教頭と矢口のやり取り。見に来ていいわけねーだろ!!
「やだね。どうせしょうもねぇ人生なんだから、食い物くらい好きに粗末にさせろ。私は食い物を粗末にするし、イライラしたら物に当たる」
「最悪じゃねぇか」
朴と3年の武智とのやり取り。倫理観のない朴いいよね。
「九進法の女は黙れよ」
「指の数イジんな!」
朴と矢口のやり取り。指一本ない人にこれ言える朴、強ない?
こういう頭いいボケ(この発言が頭悪い)大好き。そのあとの矢口のツッコミも好き。
やっぱり好きなシーンまとめると、ほとんど園芸同好会のやり取りになるな。それだけこの3人が気に入ったってことかな。
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